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提言

信濃町キャンパスのネットワークの特殊性2019

信濃町ITC所長:中川 種昭


信濃町ITC所長を拝命して12年が経過しましたが、レベル的には相変わらずIT素人のままこの立場を頂戴しています。医学部の教学機能を中心に、看護医療学部、薬学部の臨床実習へのネットワーク支援を行っており、事務長の林さんを中心とした有能なスタッフの皆様に支えていただき、円滑な運営ができていることを有り難く思っています。私の就任時からのテーマである、“キャンパス内のどこでも無線LAN”は、セキュリティの厳しい本キャンパスにおいても達成され、現在は、使用容量の増大に応えるために、無線LAN基地局の増強を予算の許す限り行っています。

そのような中、年度も変わろうかという3月ごろから問題となった新型コロナウィルスの影響による社会状況の大きな変化は、私たちとITのあり方を大きく変えました。新年度の学生授業は感染予防を目的として密を避けるためにWebを用いたオンデマンド授業や遠隔授業が予定されています。新年度も間近にせまっていますが、学生さんはまだキャンパスに足を踏み入れることができていません。教職員は、Zoom、WebExなどの遠隔会議のソフトウェアを用いてのWeb会議が主流です。また、多くの学会が中止になりましたが、最近ではZoomを使用した遠隔シンポジウムなどを取り入れて開催するようになってきました。医療の仕事は基本的には対面で行うリアルな作業であるものの、最近では遠隔治療ということで、いくつかの試みがなされています。100年に一度とも言えるこの新型コロナウィルスの感染拡大による影響は、経済を落ち込ませましたが、よく取れば未来への枠組みが目に見えて進むきっかけになっているとも言えます。

患者さん情報は、これからのAI時代に向けて全国どこからでもカルテが見られるカルテ一元化や、ビッグデータを利用して未来の医療に役立てていくことの“公開性”と、究極の個人情報であるがゆえの“秘匿性”のバランスをどこで取っていくのかをよく考えていく必要があります。病院内では電子カルテを含む独自のネットワークが張り巡らされています。現在、Web分離・無害化ソリューションが実用可能かについての検証を行うべく準備を進めています。大企業ではデータのセキュリティの保持のために運用されているところが多いと聞いていますが、これが信濃町で根付くかどうかはこれからにかかっています。

今後もさらなる無線LANの充実、変遷する医学、薬学、看護学教育へのITサービスの充実、そして病院への貢献をして行きたいと考えております。毎年このコラムで書かせていただいていますが、そのためには、ITCの専任職員の方の増員を含めた、人的配置の充実を塾執行部の方にお考えいただきたく切望しております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

最終更新日: 2020年10月5日

内容はここまでです。