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提言

慶應義塾ITCと教育研究活動

ITC副所長:高橋 大志


慶應義塾インフォメーションテクノロジーセンター(ITC)のメンバーになり5年近くが過ぎようとしている。定期的に行われている運営委員会などにおいては、毎回、ITCに関する専門的な議論が活発に行われており、ITC業務の専門性の高さを、各種委員会のたびに改めて認識している。

2020年、年明け間もない時期から、新型コロナウイルス感染拡大が、日本および世界的にも社会に大きなインパクトを与え続けている。オンライン勤務、スポーツなどのイベントの実施方法、海外渡航、飲食店の営業など、その影響の例を挙げだすと枚挙にいとまがない。2020年に予定されていた東京オリンピックの延期なども、影響をうけた代表的なものの一つに挙げられるかもしれない。

そのような中、大学の教育および研究活動も大きな影響を受けているものの一つに挙げられる。新型コロナウイルス感染拡大は2月中旬以降、急速にその対応に向けての議論が行われるようになってきたが、2月後半、3月といえば、一般に、大学入学試験もひと段落し、学会や研究会などが数多く行われる時期の一つに挙げられる。私の研究室のメンバーも、3月に、いくつかの研究会での発表を予定していたが、その中でも、新型コロナ感染拡大に対する対応は、各研究会、学会毎に、さまざまであった。例えば、2月および3月の段階では、新型コロナ感染拡大対応の必要性が認識されてから間もなく、感染拡大への対応の準備を十分に行うことができず、キャンセルとなる研究会が数多くみられた。その一方で、1000人を超える比較的大規模の学会であっても、3月上旬にオンラインで開催するところなどもみられた。私の研究室のメンバーの何人かも、オンライン開催において発表する機会を持つことができたが、オンライン会議のシステムをなんのトラブルもなく、しっかりと発表していたのは、印象に残っている。また、研究に関する打ち合わせに関しても、慶應義塾ITCは、その当時、既にオンライン会議を利用できる環境を提供しており、個人的に大いに助けられた記憶がある。

また、教育に関しては、私の所属する研究科は、3月上旬までと比較的遅い時期まで授業が行われているが、3月上旬というと、ちょうど新型コロナ感染拡大の懸念が急速に高まっている時期と重なっていた。そのような中、教育支援システムは、レポートの提出など各種機能を備えており、それらの機能の貢献により無事、3月の講義を終了することができた。

このように、個人的に研究および教育においてITCの提供するサービスに大きく助けられたとの印象を強くもっている。慶應義塾ITCのWEBページ(https://www.itc.keio.ac.jp/ja/about_itc.html)を確認すると、主な業務として、いくつかの項目があげられているが、その中の一つとして、教育・研究・経営に関するシステムの開発、運用および維持という項目がある。本稿が紹介した事例は、教育・研究に関するものであったが、今後ますます、慶應義塾ITCの果たす役割は大きくなってゆく可能性があると考えている。

最終更新日: 2020年9月18日

内容はここまでです。