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提言

日吉のJ教室

日吉ITC所長:小林 宏充


日吉キャンパスには、J21など教室番号がJから始まる教室が多くある。このJ教室のJは「情報」を表している。情報環境を充実させるために、各席や床下などに、電源コンセントと有線LANコンセントが設置されている。20年くらい前は、教室にノートPCを持参したら、有線LANに接続して作業をするということが通例であった。時代は流れてユビキタスな無線LAN環境が充実し、スマートフォンでPCと同じ情報を受信できるようになり、タブレット端末が現れ、ノートPCから有線LANのコンセントが常設されなくなろうとしている。

大教室では、すべての席に設置された有線LANコンセントを制御するために多くのルーターが教室に設置されている。設備リプレイスに伴い、今後これらを更新するかと利用者協議会でも議論した。今後の利用環境を考えると、すべての席で有線LANが利用できる環境を維持する必要はなく、最前列のみなど一部の席で利用可能とすることにした。ハブは活かすので、どの席で使いたいかは事前に連絡をもらえれば、アレンジできるようにした。利用可能な有線LANの数を減らすことで、ルーター設備を減らし、節電にも寄与する。その資金で今後より重要となる無線LAN環境を充実させていくこととした。幾重にも情報基盤のバックアップが考えられている。このようなアレンジを考えてくださる職員さんに頭が下がる。

今後も設置型PCや無線LANルーターには有線LANのコンセントが常設されると思われるが、有線LANコンセントは、学生や一般の人々の目にはなかなか触れる機会がなくなると思われる。J教室の有線LANコンセントは、埃が溜まらないよう巧妙なシャッターで塞がれているが、いずれあれは学生に何だと想像されるのだろうか。10年後くらいに学生に密かに聞いてみたい。

さて、最近電車に乗ると車内では、多くの人が親指を平らな板に擦り付けて笑ったり真剣な顔をしたりしている。50年前の人がこの光景を見たら、あの板は何だと想像するのだろうか。あの板で電話ができると想像するだろうか。以前、環境情報学部の先生と電気自動車の空力やデザインについて共同研究をした際に、電気自動車をみて自動車と想像されるようでは、まだまだとおっしゃっていた。

昔から変わらない物もある。スマートフォンではスワイプ型の入力方式が生まれたが、両手を利用できる環境では昔ながらのタイプライター形式のキーボードが残っている。ディスプレイも液晶や有機ELとなり、かなり薄くなってきたが、まだ想像を超えていない。紙のように折りたためたり、眼鏡に埋め込まれたりすると、想像を超えてくるのだろうか。想像を超える、使いたくてワクワクするテクノロジーの進歩が待ち遠しい。

最終更新日: 2018年9月12日

内容はここまでです。