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提言

研究・教育における慶應義塾ITCの重要性

ITC 副所長:高橋 大志


昨年の秋以降より慶應義塾インフォメーションテクノロジーセンター(ITC)副所長として、会議などに参加させて頂いている。定期的に開催される会議では、数多くの報告などが行われているが、(あらかじめ覚悟していたことではあるが)報告における専門用語の多さなどから、ITC業務の専門性の高さを改めて認識している。その一方で、同時に、塾内において行われている研究・教育活動において、インフォメーションテクノロジーセンターの行っている業務活動は、多大な貢献があるとの認識も強くしている。

近年、BIGDATAや人工知能などへの関心が、さまざまな分野において高まっている。分析においては、従来より、多くの分野において、数多く分析されてきた数値データに加え、画像データ、テキストデータ、音声データなど、数多くのタイプのデータが分析対象となっている。さらに、それらデータを分析する手法に関しては、近年とりわけ関心が高まっているDeep Learningなどをはじめとする新たな機械学習の手法などが、数多く提案されている。

大学の講義において、ファイナンスに関する授業を行っているが、ファイナンス分野において情報は、重要な役割を果たしており、その意味で、近年のBIGDATAや技術の進展の影響を受ける分野の一つに挙げられる。例えば、ファイナンスにおける主要なトピックの一つである企業価値評価においては、各企業に関するさまざまな情報を基に企業価値の評価が行われている。基本的な情報としては、企業の財務的な情報や企業の資本構成といったものが挙げられる。更に、そのような情報を基に取引を行う投資家行動を受けて、株式価格の水準は、時々刻々と目まぐるしく変動をし、その結果、新たな数多くのデータを生み出してゆく。また、新たな手法による分析を通じ、企業価値および株式などの資産価格について新たな知見を得られる可能性がある。このようにファイナンス分野において情報は重要な役割を果たしている。

必要な情報に効率的にアクセスし、それらデータを分析できる環境は義塾における教育・研究に大きく貢献するものである。慶應義塾ITCの会議への参加を通じ、ファイナンス領域の教育・研究も、このような、慶應義塾ITCの提供する環境の恩恵を大きく受けているとの認識をより強くしている。

また、ITCが提供しているものの中で、個人的に最もよく利用しているものの一つeduroamがある。eduroamを通じ、学外の高等教育機関においてネットワークを利用することが可能になっており、事前に設定をしておくことで、Wi-Fiにアクセスできるノートパソコンやタブレットなどがあれば、特段追加的な機器がなくても、ネットワークを利用することができる。

慶應義塾ITCのWebページ(http://www.itc.keio.ac.jp/ja/about_itc.html)をみると、『慶應義塾インフォメーションテクノロジーセンター(ITC)は、義塾に必要な情報基盤を効果的に提供することによって、義塾の教育・研究の発展および義塾の円滑な運営に寄与することを目的としています』とある。近年の情報処理技術の進展などに伴い、慶應義塾ITCの重要性は、今後ますます高くなってゆくものと考えている。

最終更新日: 2016年9月13日

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