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提言
コミュニケーション能力をさらに発展させよう
今年(2015年)4月に、インフォメーションテクノロジーセンター所長からメディアセンター所長に転じました。2011年10月から3年半、ITC所長として情報基盤の運営をめぐる様々な業務や企画に携わってきました。この間、担当の真壁常任理事、本部の押見事務長、金子課長をはじめ全塾のITC職員の皆様には大変お世話になりました。また副所長の先生方にも多大のご支援をいただきました。皆様の力添えによって、なんとか職務をまっとうできました。衷心より感謝申し上げたいと存じます。
ようやく塾内において認識されはじめたように感じていますが、情報基盤の整備と拡充はITCのみで自己完結する領域と、塾内各部門との密接な連携によってはじめて実現可能な領域があります。2013年4月に義塾の規程としてようやく成文化された情報セキュリティ対策一つをとってみても、コンプライアンス強化へ向けての啓発活動などは、ITC独自で実施できることは限られています。さらに情報セキュリティに限らず、情報基盤の整備・拡充と活用について、ITCが積極的に提言していくこと、そしてそれらに他部門の支持を得てゆくことが、今後のITCの業務の展開に不可欠だと考えています。
ところが、ITCの業務内容は高度に専門的であるため、塾内の他の部門からみると、その仕事の内容は簡単には理解され難い要素が多々あります。そうした難しさの例として、業務における専門用語(jargon)の問題があります。それらはITCの内部では何の問題もなく流通していますが、他部門との協同、新しい技術を踏まえた提案などにおいては、ITCが普通の言葉で表現することに力不足であるが故に、迅速に理解を得られず、企画の実現がはかれない事態に立ち至ることもしばしばあるように思います。
こうした事情を鑑みると、ITCはさらに一層そのコミュニケーション能力を発展させねばならないと思います。塾内の教員・職員の別なく他部門に発信し、多くの人々の理解を得つつ自らの企画に巻き込んでゆく、そうした力を養うことがITCにとって喫緊の課題であると思います。またこのことは大学情報サミットをはじめ、学外組織との関係が学校法人としての公式の関係になればなるほど留意しなければならない要素となりましょう。
大学ICT推進協議会のCIO部会に参加して得た知見ですが、話を聞く機会のあったアメリカの大学CIOたちは、一様に学内他部門とのコミュニケーションの重要性を指摘するとともに、その際の言葉の選び方について、何よりも相互の理解をめざす配慮の必要性を強調していました。こうした配慮は、どのような職域にあってもごく普通のことです。けれどもITCのように自己完結性が高く、加えて関連技術の急速な変化と発展に日夜晒されている部門にあっては、常にそのことを顧みるべきであると思えてなりません。
ITCが今後、ますます強靱かつ柔軟な情報基盤を支える組織として発展することを強く期待しております。
最終更新日: 2015年8月26日
内容はここまでです。