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巻頭言

コロナパンデミックによって大学のIT環境は変わったか?

ITC所長:泰岡 顕治


2021年10月にITC所長となり、早くも1年がたった。私自身のことを言えば、これまでユーザーとしてITCをみていたものが、この1年はユーザーに満足していただくためにはどうすれば良いかという視点で考えるようになった。「もっとこうして欲しいなあ」、と考えていたのが、それが自分のためでなくユーザー皆さんのためになるかどうかと考えるようになった。まだまだ、それが形に現れてきているとは言えないが、少しずつITCの職員の皆さんと進めていきたいと考えている。

この1年は、コロナ禍で大学におけるITのあり方が大きく変わった年であったと思う。対面授業の再開に伴い、多くの授業で資料がPDFや動画というデジタルデータで配布されるようになり、またオンラインでの授業も有効的に活用されており、これらに対応するために学生はパソコンやタブレットなどの端末を持参するようになった。これまでITCでは、学生がいつでも自由にレポートを書いたり、インターネットで調べ物をしたりができるようにパソコンルームを充実させていつでもパソコンが利用できるようにしていた。これが学生自身が自分のパソコンを持参するようになり、大学としては実習授業等で使用するコンピュータを除けば、学生が自習するためのパソコンを準備する必要が少なくなった。一方で、持参したパソコンが自由にネットに接続できるための環境の整備や、持参したパソコンが終日利用できるようにするための充電設備の拡充の必要が出てきた。さらに、デジタルデータでのやりとりがスタンダードになり、紙での資料配布などが非常に少なくなってきており、プリンターで印刷する機会も圧倒的に少なくなってきた。このように、コロナパンデミックによって、今までの常識が通用しなくなってきて、新たなスタンダードが作られようとしていると感じている。

話は変わるが、所長就任時に挨拶にも書いたが、近年デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉をあちらこちらで聞くようになってきた。DXとは、IT技術の発展によって様々なところでデジタル化が進み、その技術により我々の生活をより良くすることを意味している。なんでもDXとして片付けるのが良いかは別として、最新のIT技術によって大学における教育・研究・運営がより潤滑になり、それに介在している人々が人間がやるべき仕事に時間を割けるようになると良いかと思っている。教員の視点で言えば、教育の内容を充実させたり、より素晴らしい研究成果を上げたり、スムーズな運営ができたりということにIT技術を活用していけることができれば、新しい時代に対応していけるのではないかと考えている。大学などの研究・教育機関におけるDXとは何なのか、これから皆さんで考えていければと思う。

最終更新日: 2022年10月27日

内容はここまでです。