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巻頭言
義塾の共通基盤
慶應義塾インフォメーションテクノロジーセンター(ITC)は、大学だけではなく、義塾全体の情報環境を所管する組織である。幼稚舎から大学院、そして関連機関すべてを所管する。それぞれの学校、学部、組織の独立性を尊重しながら、義塾共通の情報環境の基盤を提供してきている。義塾のバックボーンネットワークであるKISH(Keio Information Super Highway)は、令和元年にKISH7の整備を行う。KISHの整備は4年毎なので、義塾のバックボーンネットワークは23年間、情報環境の基盤を提供してきたことになる。KISH7はより安定し、セキュアなバックボーンネットワークを提供する予定である。
近年、教室や研究室などへの固定系ネットワークに加え、キャンパス全体をカバーする無線LANの重要性が増してきている。事実、ここ数年は無線での利用が一般的となり、教室内などの物理的な配線を減らす為の作業も増えてきている。このように、情報空間へのアクセス形態が、物理的にネットワークがある場所に利用者が行ってアクセスする形態から、無線を用いていつでもどこからでもアクセスする形態へと変化する中、ITCでは情報空間へのアクセス環境の整備を行ってきている。keio.jpによる塾生・教職員の認証システムは、義塾の共通認証基盤の根幹である。この共通認証基盤をもとに、塾生・教職員であれば、いつでもどこでも無線LANを用いて情報空間にアクセスが可能となる。
これまで、無線LANのカバーエリアは大学の教室からキャンパス全体へと拡大し、同時に多くの利用者を収容可能な高機能なネットワーク機器へと拡充してきた。本年度からは、より積極的に義塾全体へとそのカバーエリアを拡大する方針とした。情報インフラは、大学だけではなく、義塾全体の共通基盤であるからである。信濃町キャンパスでは、JACME(医学教育国際認証)の対応をきっかけとして、病院内に大学の無線LAN環境を拡充し、病院内での学内情報空間へのアクセス環境を整備した。また、今後は諸学校とも無線LANの共通利用環境について連携を推進し、諸学校の教職員との協調環境を整備していく。
セキュリティ面でもセキュリティインシデントに対応する為の投資を行ってきている。インシデントを早期に発見するための環境整備をはじめ、インシデント発生時に瞬時に対応するための環境整備を行っている。また、大学におけるセキュリティインシデントの情報公開も積極的に行っている。まだまだ充分に情報提供ができているとは言えないが、大学で日々起きているセキュリティインシデント情報を共有することにより、利用者が現状を理解し、セキュリティに対して少しでも意識を高くすることが、大学全体のセキュリティレベルを上げるうえで最も重要だ。
情報インフラは、すべての利用者にとって必要不可欠なものとなった。インフラの良し悪しは、利用者の活動の成否に大きく関わるものである。未来を担う義塾のすべての利用者にとって、未来を創造する為の情報インフラで有り続けるべく、ITCは努力していく所存である。
最終更新日: 2019年10月16日
内容はここまでです。