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巻頭言

新しい電子メールシステムとソーシャルメディアガイドライン

ITC 所長:野寺 隆


慶應義塾の情報基盤の充実強化を図るためにITC(Information Technology Center)は1999年に設立され、早いもので16年が経過しました。この16年の間に、ITCは慶應義塾の皆様に電子メールやPC環境の整備、教育、研究、経営に関するシステム開発を行い、安全な運用管理とサービスを目指して情報基盤環境を整備・提供してきました。

2014年度のITCの最重点活動は、慶應メールのリプレースを行ったことです。すでにご存知のことと思われますが、電子メールはその黎明期においてメールが届く組織がかなり限定されており、コンピュータの利用者や管理者の間で使われていただけの冗談半分のシステムでした。しかし、現在ではコンピュータを媒介とした人と人とのコミュニケーション・ツールとして全世界で広く利用されています。現在の我々はこの電子メールに極めて依存した生活をしており、今や手放すことなど考えられません。

これまでITCが管理運営を行い、学生、教員、職員に広く提供してきた慶應メール(keio.jp)は、DEEPMail システムから、学内の認証システムとの親和性などを考慮して新しくGoogle Apps for Educationに移行しました。このGoogle Gmailへの移行は2014年の11月11日からほぼ4ヶ月の間に大きな問題もなく終了し、2015年3月3日から正式な運用を開始しています。また、今回のmailシステムの変更にともない学内の認証方式も学認で採用されている標準的な認証方式に変更しました。このたびの移行には、大変多くの職員や関係者のご尽力のたまものであり、そのご苦労を考えますと感謝の念に堪えません。

ITCは情報基盤システムだけでなく、広報活動にも積極的に取り組んでいます。以前から慶應義塾の皆様(主に新入生)に対して、ソフトウェア利用と著作権の啓蒙活動を行ってきました。また、このほかにもITCはネットワーク利用時のコンプライアンスの強化などにも取り組んでいます。

近年、LINEやfacebookに代表されるSNSやWeb、ブログ、Wikiなど、インターネットに自由にアクセス可能で情報交換ができるソーシャルメディアの利用が増加してきました。ITCはそれに関連したガイドラインを取りまとめ、Webサイトへの掲載を行いました。これは利用者の誰もがソーシャルメディアの深刻なトラブルに直面する可能性があり、そのリカバーは常識がまったく通用しない大変困難な場合が多いと考えられるからです。特に、ソーシャルメディアを通じて作られたサイバースペース上の擬似的な人間関係は、人間なのか、はたまたプログラムなのか、性別年齢不詳で判断がつかない場合が多いからかもしれません。ソーシャルメディアの利用者は、それに貢献できる責任ある参加者となる必要があり、ネット上に情報を掲載することの長所、短所、およびその危険性をよく考え、自分自身を守る必要があるからです。

今後、慶應義塾として解決しなければならない問題のひとつに情報セキュリティの総合的な方針を構築する必要があります。これはなかなか難しい問題ですが、取り組まねばならない問題であると考えています。ITCは、これからも利用者の皆様の視点に立ち自由な発想でデジタル社会をデザインする情報基盤に基づいたサービスをスタッフ一丸となって提供して行きます。

最終更新日: 2015年9月14日

内容はここまでです。