• Japanese

特集

慶應義塾へのeduroamの導入

ITC本部:細川 達己


eduroamとは

eduroamは、大学などの研究教育機関でWi-Fiネットワークを相互利用するための国際的な枠組みであり、日本国内では国立情報学研究所(NII)がeduroam-JPとしてサービスを提供している。現在、日本国内の約150の機関がeduroam-JPに参加している。

参加組織は、その組織内にeduroamユーザが利用可能なWi-Fiのアクセスポイントを提供する一方、eduroamからの認証要求に対して適切な認証を提供する。これによって、他のeduroam参加組織で、自組織の提供するアカウントでWi-Fiの利用が可能となる。

研究教育機関以外でのアクセスポイントの提供も行われてある。国内でも貸し会議室やカフェなどでも利用可能な場所があり、少数ではあるが公衆Wi-Fiアクセスポイントでも利用可能な場所がある。また、海外ではeduroamが利用可能な空港や駅も存在する。

eduroamの利用方法は、ITCのWebページ( http://www.itc.keio.ac.jp/ja/net_connect_eduroam.html )で公開されている。

義塾のeduroam参加

2015年12月、ITCは正式にeduroamサービスの提供を開始した。アカウントが共通だったこともあり、システムはkeiomobile2に利用されていたWi-Fi認証システムを小規模改修するだけで対応可能であった。

これによって、義塾の学生・教職員が、国内・海外の多数の教育研究機関において、義塾のアカウントでWi-Fiネットワークを認証して利用することが可能となった。

一方、義塾を学会や留学などで訪問する他のeduroam参加組織のユーザも、特に新しい設定をすることなしに、義塾においてWi-Fiネットワークを利用することができるようになった。

eduroamに利用可能なアカウント

eduroamを利用可能なアカウントは、従来から提供しているkeiomobile2を利用可能なアカウントと同様とした。これは以下のものが含まれる。

  • 慶應ID(*@keio.jp)
  • ITCアカウント(*@user.keio.ac.jp)
  • SFC-CNSアカウント(@sfc.keio.ac.jp)

keiomobile2と同様、利用するにはWi-Fi用のパスワードを入手する必要がある。詳しくは各地区ITCのWebページを参照されたい。

eduroamで利用できるネットワーク

義塾のeduroamで提供されるネットワークは、基本的に塾外のネットワークであり、塾内のみで利用可能なサービスはeduroamからは利用できない点に気をつける必要がある。これは、商用データベース等のライセンスやセキュリティ上の問題を考慮したものである。

なお、keiomobile2と同様、eduroamから利用できるサービスに関しては、大きな制限を加えていない。

義塾におけるeduroamの利用状況

2015年度中の、義塾におけるeduroamの利用ID数は以下の通りである。ただし、認証に用いられたID数の集計であるため、実際の利用ユーザ数とは多少異なる可能性がある。

  • 塾内eduroamネットワークの外部IDによる利用 2,907 ID
  • 塾外eduroamネットワークの塾内IDによる利用 289 ID
今後の課題

今後、次のような課題を解決していきたいと考えている。

  • 塾外での利用を増やすために広報を強化する
  • 現在よりも多くの人数の利用に対応できるようにインフラを強化する
  • 塾内のeduroamに塾内ユーザが接続しようとした時に、現在のkeiomobile2相当のネットワークに自動的に接続されるような仕組みを構築する(これだと、塾内限定のサービスも利用できる上に、eduroamインフラへの負荷を軽減できる)

最終更新日: 2016年9月24日

内容はここまでです。